20120504

OLYMPUS PEN-FT ミラーの交換

PEN-FTの修理です。

このPEN-FTは、点検してくれ、と渡されたときには調子よく動いてるように見えたんです。
で、割と調子いいんじゃないですかね、と言いながらレンズひねって外したところ、なんと、ミラーが付いていなかったんです。

先にファインダー覗いていればすぐに気づきますね。
それにしても、ミラーはどこに行ってしまったんでしょう?
どっちにしても、ミラーがなければいくら調子良くてもまともには写真は撮れません。

と言うことで、手元の調子の良くない個体からいただくことにしました。
最初、安直にドナーのミラーをこじってはずし、接着剤で貼り直せばいい、と考えていたりもしたんですが、外れている個体のミラーの跡を見る限りでは、結構強力に接着されていそうです。
ミラーを割ってしまうと元も子もないので、素直にミラーユニットが取り出せるところまで分解することにしました。

このミラーユニット、ミラーボックスを下ろし、とことんまで分解しないと外れてくれません。
せっかく2台をとことんまでばらすので、調子のいい部品、きれいな部品を寄せてくみ上げることにしました。
ちょうどシリアルも近く、部品形状には問題になるような差異はなさそうです。

ちなみにPEN-Fとの部品の相互互換はほとんどできません。
クイックリターンミラーは機構的には流用可能かもしれませんが、ミラー形状がそもそも違うため、おそらく露出計の精度が変わってきます。
また、PEN-FTの内部構造も、知りうる限り、大きく前期後期の差があるように思います。
大きくは、セルフタイマーまわりの形状がだいぶ違うのですが、ちょっと工夫すれば互換は可能です。


20120406

LEITZ SUMMILUX 50mm F1.4

モーターショーで活躍したズミルックスの修理です。

中のあちこちにカビが発生していました。
さて、分解です。

と、さくさく分解して清掃の予定だったのですが…

なんだかうまく分解できません。
基本、回してはずしていくはずなのですが…

分解の仕方が間違っているのだろうかと、ネットで調べたりしましたが、どうも間違っていないようでした…

ということは、固着でしょうか。

ありとあらゆる工具と腕力を動員して外れたのは前群、ヘリコイドまででした。
後群がどうやっても外れません。
大きなトルクをかければ外れることは明らかなのですが、工具がかかる場所があまり大きくなく、大きなトルクがかかりません。
はずした前群のネジを見る限り、やや錆びているのでおそらく錆びて固着してしまったのでしょうね。

後群はひどく汚れているわけでもないので、そのままにすることにしました。


20120324

ThGo2V16.0でXPERIAをAndroid2.3.3に

いまだにスマホを電話としてはは使っていません。
そこで半ば放置されてるdocomoのSO-01B XPERIAのバージョンアップを試してみました。

インストールになんだかんだと6時間かかった結果、無事2.3.3に。
これは良いです。
ぬるぬるサクサク。
使ったのはThGo2 V16.0というカスタムROMです。

これなら携帯の代わりに使っても良いなと思えます。

実はこのAndroid、2台目なんです。
最初、auのIS01を使ってみたんですね。
ところが使い道がさっぱり思い浮かばず。
おまけにバージョンアップされないのでアプリも少なく、キーボードも打ちづらく、なんに使うんだこれ、と思っていたんです。

ただ、内臓GPSがもったいないんでロガーに使えないかと思って探すと、いいアプリがあるんですね。
山旅ロガーと地図ロイド。
この組み合わせはすばらしいですね。登山では最強かもしれません。

アウトドア用のGPSロガーやポケットナビ、その組み合わせのどれよりも使い勝手がよく、多機能で電池持ちは同じくらいです。
トラッキングを開始するだけでGPSを受信し、地形図を読み込み、ログが作成されます。
道中いつでもルートの正当性を確認できます。
下山後だけでなく、道中いつでもたどってきたルートのトラック表示ができてしまうんです。

ただ、それにしか使いませんでしたけどね。

で、次使ってみたのがdocomoのXPERIAです。
正直Android1.6には懲りたので2.1には期待していたのですが、、、
大差ないですねぇ、、、
XPERIAの問題もあるのかもしれないんですが、、、かったるくて携帯の代わりに使う、って言う想像ができませんでした。

結局これも何が便利なのか分からず、放置でした。

ところが、2.3以降のAndroidは結構便利らしい、っていう話が聞こえてくるようになると、うちのXPERIAもならんもんかなーと思ってしまうわけです。
正直、あまり期待もしてなかったのもありメインの携帯を置き換える気も無かったので、壊れても困らないので心置きなくroot化、カスタムROM導入ができました。

インストールに時間がかかったのは、最新のカスタムROMを入れているほとんどの人が初心者ではなく、初めてカスタムROMを導入する方法はどこを探しても古いものばかりで、ちょっとしたトラブルも解決法が分からないことにありました。
検索しまくる、試すの繰り返しで何とかできたようです。
その過程で見つけて気に入ったのがlock移行、復帰時のアニメーションを行うカスタムROMで、ブラウン管テレビみたいでかっこいいです。
これオフィシャルの2.3でもこうなんですかね。


20120323

レンズジャケット買ったら、しソズヅャケット届きました

何を言ってるのか分からないかもしれませんが。

少し前にソニーのαNEX-5を衝動買いしてしまったんですが、ケースも欲しくなったんですね。
これが調べてみると結構高い。
純正品の場合、市価ではボディ側のケース(ボディケース)が2500円くらい。
レンズ側のケース(レンズジャケット)が3500円から4500円くらいで、セット売りはなしとずいぶんします。

純正じゃなければ安いのもあるんですが、何のこだわりか、非純正のケースは三脚ねじが付いており、それが出っ張って邪魔くさいのが多いんですね。
そう思いながらAmazon、楽天で探していると見つけたのが「並行輸入品 正規品 ボディケース、レンズジャケットセット3000円」というもの。
ブランドもんじゃあるまいしと思いながらも、こりゃぁ安いと思ってポチッとなですよ。
純正とは書いてなかったのですが、普通純正品にわざわざ純正とは書かないと思うんで気にしてなかったんです。
型番一緒で箱も見るからにおんなじだったんで。
で、届いたのは「しソズヅャケット」でした…

んんん???っと思いながらも開封。
あれ?中に一緒にボディケースも入ってますよ?
セットとは書いてましたが…

よくよく見てると、ケース底にねじがあります。これって非純正によくある作りだなぁ、と思いましたが、純正品と同じ型番が書いたタグも縫いこまれています。
おまけにねじ錆びてます。なんだか手触りもよくないです。
SONYロゴはがったがたでえらくかっこ悪いです。
ここまできたら分かりますよね。
中国が誇るコピー品だったんですよ。
ブランド物でもないし、高級品でもないもののコピー品があるなんて。
逆になかなか買えないです。

感心しながらカメラに装着することにしました。

、、、あれ…?

装着できないんです…。寸法が少し合わないんです。
これにはびっくりしましたね。

寸法をそっくりコピーしてしまえばおんなじ物が出来上がるのに、なぜかわざわざオリジナリティを発揮しています。

その結果使えないものが出来上がったと。

いやあ、感動してしまいましたね。
わざわざコピーした物を使えないものにしてしまう。恐るべし中国。

ちなみに写真はすべて下側が純正です。

20120320

ハッセルブラッド500C/M修理

ハッセルブラッド500C/Mの修理です。

なかなか綺麗なのですが、レンズが外れません。
これ、ハッセル使いの人ならわかりますよね。やっちゃったな、ってやつです。

レンズはずして終わり、ということもありえるのですが、一応預かって点検、メンテナンスしました。

全体的にすごく綺麗なのですが、ボディが特に綺麗です。
よく見てみるとボディは1985年製造、フィルムバックは1968年製造でした。レンズもバックと同時期のものでしょう。
どっちかというと、ボディだけが新しいです。

早速レンズをはずし、正常なシーケンスに戻して装着、作動させてみると…コッキング停止動作、フィルム送りに問題がありそうです。
遮光版もシャッター切った直後ではきちんと閉まりません。

早速分解です。

レンズシャッター一眼レフということもあり、また、設計の巧さもあり非常にシンプルなボディです。
遮光版の駆動関係を追ってみると…よくあるゴムダンパーの問題ではないですね。
駆動バネが折れていました。
割りとある故障のようです。

外周端と中心の折り曲げ部分が折損していました。
新たに折り曲げて対処しましたがこのバネをどうやってケースに戻したらいいやら…
昔子供のころ、チョロQのゼンマイを伸ばしたり切ったりして速くする改造がありました。

そのときも四苦八苦、時には手を切ったりしながら戻した記憶があります。

どうにか戻して次はフィルム送り。
スタートマーク合わせも、カウンターの自動復元もないのでこれまた非常にシンプルなフィルムバックです。
こちらは清掃と注油で完了。

最後にレンズ。
絞りの面にカビがあったので分解。
レンズシャッター内蔵の割には分解性はいいです。
各ネジが非常に固いですが。

中はきわめてシンプル。
でも、とてもよく考えられています。
それを包み込む外装もとてもシンプルなんですが、メカメカしいところがありません。
さすが北欧デザイン。




投稿再開しようかと

すっかり放置でしたが、再開しようと思います。
また放置するかもしれませんが…
古いのも新しいのもごっちゃまぜでゆるりと行こうと思います。

20120219

SUMMILUX持って札幌モーターショーへ

札幌でモーターショーが開催されると言うことで。

こりゃあ、写真を撮りに行かなきゃならないだろうとか、札幌でそれほど撮る対象があるのかねぇ(車にせよ、そうじゃないにせよ)とか話題になっていたのですが、ちょうど使って見たいと思ってるものが手元にあることに気づきました。

ライカのSUMMILUX50mm1:1.4です。

預かり物なのですが…


カビ取りということやってきた、このコンパクトなのにやたらずっしりとしたレンズの写りが非常に気になってきます。
NEXにマウントアダプタ経由で取り付けると、フルサイズ換算で75mm。
こりゃポートレート用にちょうどいいんじゃないですかね、と。

カビ清掃は間に合わず、やや曇ったまま持参しました。
お返しする際にはどのみち清掃しなければならないので、本来の写りは、本来の持ち主に味わっていただくことにしましょう。

同じライカの50mmでネットなどで評判が多数上がっているのはSUMMICRON1:2.0のほうですが、こちらも負けずいい評判が多いです。
問題はSUMMICRONよりずっと高価で、入手性が良くないことでしょうか。
これはどんな写りなのか気になります。
自分がこの先入手できる可能性は低いですしね。

使ってみた結果ですが…
カビありなので、どうしてもフレアが乗ります。
さすがにF1.4ともなると、開放じゃコマ収差が出てきます。

しかし、正直よく写りますねー、これ。
開放でも割と線が細く、フレアっぽいのにもかかわらず色がにごりません。
評判がいいだけのことはありますね。

NEXでの使い勝手ですが、大口径なぶん、被写界深度が浅く、フォーカスアシストなしでも十分ピントが合わせられます。
ちょっと重いですが、小さいのはありがたいです。


さて、モーターショーの会場ですが…
恐ろしく混んでました。
これは予想外でしたね。
こんな混んでいるところにこのレンズを持ってきたことを、ちょっと後悔しましたが、小さいのでなんとかかばんに入れながらしのぎました。
当然一眼構えてる人もたくさんいます。
お仕事な人も結構いるでしょうね。
混み込みのところ大きなカメラでご苦労様です。
赤いラインの大きなレンズの方もいらっしゃいます。
レンズの値段だけなら変わらないぜと思ってみたり(借り物ですが)。

混んでるのより困ったのが、休憩場所、食事場所がないことでした。
正確には、会場の札幌ドームには休憩場所はいっぱいあるのですが、、、
スタンドに上がらなければならなかったり、外周通路へ出なければならなかったり。
こういったイベントごとにつき物の物産品の出展も少なく、おなかにたまるものはほぼなしです。
プロ野球の試合でももっと出展があると思います。
営業しているのは通常のドームの売店+わずかな土産店のみでした。

おなかすいたら退場するしかないなんて…
中古車市のほうが長居できるじゃないですか。
ビールだけならどこでも買えましたが。
まぁ球場ですからね。


というわけで、ドームから歩くこと15分、白樺山荘へ。
さすがにここまで歩いてくる人は多くないようで、思ったより混んでいませんでした。
相変わらずうまいですね。


ちなみに、一番上と最後の写真はE16mmで、そのほかはSUMMILUXです。
また、比較対象として、Summarit50mm1:1.5も持参していたのですが…
コマ収差が大きく、グルグルボケで比較になりませんね。
まぁ、古いレンズだな、って感じです。

20061004

Konica C35 MFD

今回は写真部の学生さんからの依頼で、コニカのC35MFDの修理です。
1980年代のフルオートカメラで、プラスチックボディ、というと普通は古いカメラという扱いではなく、実用品としても、コレクションとしても正直人気はないですね。

でも、私は結構この時代のカメラが好きだったりします。
無理した小型化を目指していないため、各部の精度やレンズ性能に妥協が少なく、押し出しのあるデザインは安っぽさを感じさせません。
ただ、あまりにもありふれているのと、ちょっと重いボディ、各社そろって38mmF2.8という工夫のないスペックのレンズばかり、というのがちょっと残念な時代でもあります。

さて、このC35MFDというのはコニカのC35シリーズとしては最後となる機種で、オートフォーカスに、モーター巻き上げ、日付写し込みと、この時代の全部入りになります。
そのせいでC35というにはちょっと大きすぎるボディになってしまいました。

この個体は、自動巻上げが止まらない、というものでした。
巻き止めにかかわるカムやスイッチの破損があると厄介だな、と思いながら分解していくと…カウンターと連動して、1駒目まで連続して巻き上げる機能があるのですが、その部分の連動棹が折れていました。

さて、このプラスチックの部品をどうしましょう。
そのまま接着してもすぐ折れてしまうのは目に見えています。
かといって部品を作るほどの技量はありませんので…

瞬間接着剤で接着したあと、アルミテープを巻きつけ、隙間にさらに瞬間接着剤を流し込んでみました。
結構丈夫に接着できたようです。

20060923

MAMIYA35 Ruby Standard

マミヤのMamiya35 Ruby Standardの修理です。
マミヤというと中判というイメージですが、実は1980年代まで一眼レフも含めて35mmカメラも作っていました。

特に、レンズシャッター式の一眼レフカメラでは結構がんばっていたようです。
今では中盤の一眼レフはほとんどがレンズシャッター式なので、このころのノウハウがものを言っているのかもしれません。

さて、このカメラはレンズシャッター式のレンジファインダーカメラとしては、特に特徴のあるカメラではないのですが…しゅっとしたデザインはまぁまぁ悪くはないのですが、どこか垢抜けない感じもします。
全体としてはスマートな感じが好ましいのですが、細かいところがあとちょっと何とかすれば、と思ってしまいます。

この固体は、お約束とも言える、シャッターの羽油でした。
分解して清掃し、外観もきれいにして完了です。

どういうわけか、マミヤのカメラの露出計は壊れているものが少ないです。
おそらくはセコニック製だと思うのですが、同時期のヤシカのカメラと比べると、壊れている確率が少ないような気がしますね。

Fujica 35-SE

富士の初期の35mmカメラです。

非常に端整なデザインだと思います。
巻き上げレバーを底面に、巻き戻しクランクを側面に配置し、上面にはシャッターボタンしかありません。

その割には殺風景ではなく、四角いボディが際立ち、いいプロポーションだなぁ、と思います。

さて、この個体は、底部の巻き戻しボタンが外れていました。

まぁ、これくらいなら、ちょっとボタンをはめ直すくらいでいけるだろう、と思っていたのですが…

ボタンの根元のネジ部分が折れていました…
しかもそれを受け止めているのはボディを貫通する長ーいシャフト。
上から下から分解する羽目になってしまいました。

巻き上げ機構が底面にあるため、ファインダー周りは大変余裕のある作りになっています。
おかげで時代の割には、大変見やすい、合わせやすいファインダーです。

このカメラのシャッター、というかFujica35シリーズの(すべてではないですが)特徴として、1/1000まである、CITIZEN MLTというシャッターの搭載があります。
Fujica以外ではあまり見かけないシャッターです。
シチズン独特の「キュンッ」というシャッター音が、その大柄なボディとあまりにも似合わず、おもわず笑ってしまいます。