かねてより依頼されていたZeiss IkonのCONTAFLEX。
1953年デビューの初代機とは思えない、すばらしい作り、コンディションです。クイックリターンではないんですが、なんと自動絞り装備です。
が、どうもシャッターが切れている気配がありませんでした。ガジャッ、という音とともにミラーは上がるのですが、その後シャッターが開きません。
レンズシャッター式の一眼レフは構造が複雑な物が多いのですが、これはクイックリターンでもありませんし、そんなに複雑ではないだろうとたかをくくって分解開始です。
前玉回転なので、後の調整のめんどくささをさけ、シャッターユニットをヘリコイドより分離。この後頭を抱えてしまうのでした。
なんと、シャッターもボディーのリンク機構も単独で動かすと問題なく作動しています。組み上げると動かないのです。どうも、ボディー側のミラーと連動したリンクカムが、シャッターユニットのレリーズレバーをたたく抵抗に負けて止まってしまうようです。古い機体ですので、経年変化で各部の抵抗が大きくなり、動作が重くなってるのでしょう。
各部をグリースアップし、レリーズレバーの形状をいろいろ変えてみましたが、後一歩のところで切れてくれません。ミラー駆動のバネを強くするという手もありましたが、大がかりになりそうなので今回は見送ることに。
そこで、ちょっと小手先の技へ走りました。レリーズレバーのカムが当たる部分にテフロンを貼り付け、カムの表面にはシリコンオイルを塗布しました。
これでやっとまともに動いてくれるようになりましたが、レリーズレバーの形状が変わってしまったため、バルブがタイムになってしまいました。これはこれで便利だったりしますが。
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