20051115

30万円のラジカセ

ひょんなことから、BOSEのAW-1を手に入れてしまいました。

発売当時、そのBOSEのロゴもさることながら、店頭販売はせず、ちょっとしたあこがれではありましたが、催眠商法まがいの訪問販売だけの販売で、なおかつ30万円近くもするということで高級羽毛布団ばりのぼったくり商品としても有名な逸品です。

で、何かというと、なんてことはない、ただのラジカセであります。
BOSEだし、30万もするのに「ただ」ってことはないのですが…

ほんとにカセットとラジオしかついてません。
カセットはオートリバースじゃないし…
異常に重いですが。

まあ、ただ者ではない音が売りではあったのですが…

そんなただ者ではない音を聞いてもみたいのですが、手元にきたときは完全に不動品でした。
ACからでは全く通電する気配がありません。

早速ばらしました。

どうやら電源周りの故障ですね。

いろいろたどってみると、電源トランスの一次側の断線でした。
ちょっと一筋縄ではいかない故障ですね。
トランスの規格もわかりませんし。
経験上、こういった故障の場合、トランスの内蔵温度ヒューズが切れている場合が多いのですが、何せアメリカ製ですので甘くみるのはよしておくことにしましょう。

とりあえずここの修理は後回しにして…
トランスが死んでるってことはそのほかは生きている可能性が高いので、ACアダプタで動きそうな気がします。

適当なアダプタを探してつないでみると…
もくろみ通り息を吹き返しました。

30万円の音はいかがな物か?

噂通り、すさまじい迫力で鳴ってくれます。

これを聴かされたら買っちゃう人はいるかもしれませんね。
何せ、このサイズの箱からすさまじい迫力の音が出るのですから。
30万円出してほかのメーカーでこれだけの音を出すことは可能でしょう。
でもこのサイズじゃ無理でしょうね。
人をびっくりさせるのが目的なら完璧な製品です。

でも、音楽を聴くとなると…
正直、聴いててめっちゃ疲れます。
迫力はステージの前にいるみたいな感じですが、さっぱり落ち着きません。
こりゃぁ、ぼったくりかも。

音楽を聴くなら、普段私が常用しているYAMAHAのYST-DF11の方がずっといいです。
ラジカセで、っていうんならSHARPのQT-77CDがすごく音楽的で気に入っています。

なんだかちょっと感動、ちょっとがっかりでした。

ちなみに、アメリカじゃまだ同型後継機種が買えるようです。
これです。少しは安くなったみたいですね。

なにかがあった。いまはない。

紹介が遅くなりましたが、今、PPCのHIROさんが個展を開催しています。
その会場で、私も便乗企画として、カメラを展示しています。

今展示している物は未レストア品ですが、レストアしてお渡ししたいなと思っています。
20日にはレストア完了品の即売を行うため、会場へ赴きます。

まあ、フリーマーケットみたいな感じで行おうかなと。

未レストア品でご希望の方がいらっしゃったら後日お渡しということにして受け付けも行う予定です。
ついでに、カメラの点検や修理もできる範囲でやってみたいなと思っています。

あと、間に合えばデジタルピンホールカメラの実機も持参しようかなと。

お暇な方は是非いらしてくださいね。

もちろん、HIROさんの写真もすてきですよ。

写真展の詳細は、HIROさんのホームページ「なにかがあった。いまはない。」をご覧ください。
開催場所は、札幌市中央区南2条西8丁目5-4、FABcafe2階の、雑貨喫茶十一月、12時~19時30分月曜定休、
会期は23日までです。

20051107

OLYMPUS PEN EE-2

立て続けにPEN EE-2です。

PENシリーズのベストセラーとなったカメラで、1968年発売です。

固定焦点で、プログラム自動露出装備で非常に操作の簡単なカメラであった初代PEN EEの不満点を改善したモデルです。
大きな改善点は、フィルムカウンターの自動復元、裏蓋の蝶番式への変更、ホットシューの装備といったところでしょうか。

これにより、使い勝手の上での不満点はほとんど無く、おまけに操作はシンプル、そしてグレーの愛らしい外観と、PENの定番ともいえるモデルではないでしょうか。

フルサイズのTRIP-35と合わせ、初心者にも間違いなく勧められるカメラの一つです。

さて、このPEN EE-2は下のPEN EES-2と同様に、露出計の感度が低下していました。
同じように補正用の抵抗をはずしてみましたが、それでもまだ振れが弱いようです。

どうやら感度低下だけでなく、メーターの零点がずれているためもあるようです。
ふつうのメーターであれば、零点調整のネジがあるのですが、PENの場合はメーターのケースを回転させます。
これでだいぶん改善されました。

OLYMPUS PEN EES-2 オーバーホール

ハーフサイズといえばPENのEES-2です。
代表作ともいえるEE-2の上位機種で、1968年発売です。

EE-2に比べ明るいレンズを搭載し、ピント合わせが可能となっています。

このPEN EES-2はジャンク症状のオンパレードでした。

モルトはボロボロ、シャッターは正常に動作せず、絞りも固着気味。
シャッターロックも作動していないので、露出計も正常に動いているのか怪しい物でした。

ですので、オーバーホール前提にして分解することにしました。

幸いにして、ボディーのダメージはなく、巻き上げもスムーズでしたので、シャッター周りとモルト交換さえ行えば使用には差し支えなさそうです。
トップカバーがずいぶんと腐食しているように見えましたが、これはどうやら一緒に修理のために預かったストロボの電池の液漏れのためのようでした。

まずは定石通りにモルト交換を行い、外観を清掃しました。
液漏れ跡は、電解液が結晶しているのみで、メッキへのダメージはなく、清掃すればきれいになりました。

いよいよシャッターです。

PEN EEのシャッターは、1/30と1/250秒の2速なのですが、1/30の方が不調でした。
1/30で動作する際は、シャッター羽根の駆動の際に、小さなフライホイールを同時に回転させ、それで秒時を遅らせる仕掛けです。
今回はこのフライホイールがスムーズに動いていませんでした。
ここを清掃してやるとスムーズに動くようになりました。

絞りの方は、お約束ともいえる羽根油でした。
PENシリーズはビハインドシャッターのため、鏡筒ユニットをはずすとシャッターが露出するのですが、絞りはレンズの中にあります。
そのため、鏡筒を分解する必要があります。

さて、最後に露出計です。
メーターは生きているようですが、あまり振れがよくありません。
感度設定とセレン光電池の前の光量調節板の連動がはずれていたのですが、これを直してとりあえず振れるようになったのですが、ちょっと弱いようです。
どうやらセレン光電池の感度が低下しているようです。
調整用の抵抗をはずしてやると、多少は改善されるようです。

本体はおおむね終了のようでしたので、仮組みし、同時に修理していたストロボを接続してテストしてみました。
が、ストロボが発光しません。
一見どちらにも問題がないのですが…

シャッターのシンクロ接点まで腐食がまわっていました。
一応磨いてみたものの…発光が安定しません。

今回は使用頻度も考え、ここまでで終了することにしました。