ハーフサイズといえばPENのEES-2です。
代表作ともいえるEE-2の上位機種で、1968年発売です。
EE-2に比べ明るいレンズを搭載し、ピント合わせが可能となっています。
このPEN EES-2はジャンク症状のオンパレードでした。
モルトはボロボロ、シャッターは正常に動作せず、絞りも固着気味。
シャッターロックも作動していないので、露出計も正常に動いているのか怪しい物でした。
ですので、オーバーホール前提にして分解することにしました。
幸いにして、ボディーのダメージはなく、巻き上げもスムーズでしたので、シャッター周りとモルト交換さえ行えば使用には差し支えなさそうです。
トップカバーがずいぶんと腐食しているように見えましたが、これはどうやら一緒に修理のために預かったストロボの電池の液漏れのためのようでした。
まずは定石通りにモルト交換を行い、外観を清掃しました。
液漏れ跡は、電解液が結晶しているのみで、メッキへのダメージはなく、清掃すればきれいになりました。
いよいよシャッターです。
PEN EEのシャッターは、1/30と1/250秒の2速なのですが、1/30の方が不調でした。
1/30で動作する際は、シャッター羽根の駆動の際に、小さなフライホイールを同時に回転させ、それで秒時を遅らせる仕掛けです。
今回はこのフライホイールがスムーズに動いていませんでした。
ここを清掃してやるとスムーズに動くようになりました。
絞りの方は、お約束ともいえる羽根油でした。
PENシリーズはビハインドシャッターのため、鏡筒ユニットをはずすとシャッターが露出するのですが、絞りはレンズの中にあります。
そのため、鏡筒を分解する必要があります。
さて、最後に露出計です。
メーターは生きているようですが、あまり振れがよくありません。
感度設定とセレン光電池の前の光量調節板の連動がはずれていたのですが、これを直してとりあえず振れるようになったのですが、ちょっと弱いようです。
どうやらセレン光電池の感度が低下しているようです。
調整用の抵抗をはずしてやると、多少は改善されるようです。
本体はおおむね終了のようでしたので、仮組みし、同時に修理していたストロボを接続してテストしてみました。
が、ストロボが発光しません。
一見どちらにも問題がないのですが…
シャッターのシンクロ接点まで腐食がまわっていました。
一応磨いてみたものの…発光が安定しません。
今回は使用頻度も考え、ここまでで終了することにしました。
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