20050930

AUTOHALF S モルト交換

RICOHのAUTOHALF Sです。

1965年の発売で、二世代目のAUTOHALFとなります。裏蓋はヒンジ式となり、セルフタイマー付きで、AUTOHALFの完成形といえるモデルでしょう。
巻き戻しはラチェット付きのクランクになり、フィルム感度も400まで対応で、初代の不満点は解消されましたが、少し大きくなりました。

初代のあの薄さも捨てがたい物があります。


さて、このAUTOHALFはモルト(遮光用のスポンジ)がべたべたでした。

AUTOHALFに限らず、この時代のカメラのモルトはほぼすべて加水分解してベタベタボロボロになっています。
AUTOHALFの場合、始末が悪いのがモルトは溝状のところについているのではなく、平面部分に大きく貼り付けられていることです。つい手で触って手がベタベタになってしまったり、フィルム装填の際にフィルムについてしまったり、圧板についてフィルムを駄目にしてしまったり…

ほんとに始末が悪い物です。

そのままうまく装填できても光線漏れの原因にもなりますしね。

で、交換というわけですが、こんだけの面積のモルトをはがすのは正直億劫です。
貼るだけなら平面なんで楽なんですけどね。

そうも言ってられないのでどうにかこうにかはがして交換です。

こういった大きな面積のモルトを貼る場合、現物合わせだと不格好になりやすいので、私の場合は型紙を作っています。
厚紙で寸法を合わせておき、それをモルトに当てて切り抜いてやると、ぴったりのモルトができます。

面積が大きいので、薄目で目の粗いモルトを使用するのがコツです。
厚い物や、目の細かいモルトでは縮みづらいため、裏蓋を閉めるのがきつくなります。

20050925

RR-30改造完了!

JPPSさんから依頼されていた、RICOH Caplio RR-30のピンホール改造に着手です。

ズームレンズ付きのカメラを改造するのはこれが最初になるのですが、沈胴式の鏡筒を持つ、CASIO XV-3と勝手は同じような物だろうという割と甘い見通しで着手してしまいました。

ズームレンズ付きの物を改造する場合、ピンホール化してしまった場合はズームは無用なのと、なるべく鏡筒全長を短くしてケラレを防ぎたいので、沈胴したまま固定したいと考えていました。
その場合問題となるのは、いかにしてズームエンコーダーをだますか、ということです。

ズームレンズ付きのカメラの場合、たいていはズーム機構にエンコーダーがついており、これがレンズの動きを監視して、ちゃんとレンズはのびたか、ズームしているかという判断をしています。
鏡筒を固定するとしてもエンコーダーのセンサーを殺してしまうと、カメラはズームの不良が発生したと判断し、エラー表示をして動かなくなってしまうのです。

で、センサーを生かしたままズームさせないい方法を考えました。
このカメラ場合、というかデジカメの多くの場合、ズームエンコーダーはレンズの起動しか監視しておらず、その後のズーム動作はモーターのパルス数だけをカウントして動いているようです。
なので、XV-3と同様だろうと考えたわけです。

というわけで、ズームカムを連動しないようにして接着してしまい、エンコーダーカムだけを連動するようにしてしまいました。

フォーカス群を除き、レンズはすべて取り外しました。フォーカスユニットを取り外すと、フォーカスエラーが出る可能性があるので、レンズだけをはずしてそのほかは残しました。
そして、ピンホール板はお約束のメカシャッターの位置です。

どうやらうまくいったようで、順調に作動を始めました。

が、ズームスイッチを押してしまうととたんにエラーになってしまいます。まあ、撮影時にはさわらないように、ってことで。

このカメラの場合、ちょっとメカシャッターの位置が前のようで、思ったより画角が狭くなってしまいました。そのぶん、F値も思ったより小さくなってないようです。
焦点距離は目測で6~7mmくらいでしょうか。
残念ながらF100は切れませんでした。

早速写してみたところ…

1/2.5インチという小さなCCDのため、解像度を危惧していましたが、思ったより解像感はいいです。今までと変わらない感じです。

それより、ISO800という高感度を使えることや、割と写りのいい動画など、結構遊べるカメラに仕上がりました。

そう、今回は動画も撮影してみたんです。

これです。AVI形式です。
おなじみvaasaです。

ピンホールの動画なんて、ちょっとおもしろいじゃないですか!

改造の詳細、試写結果は後ほどホームページにアップします。

OB展

先週の話ですが。
我が母校、開成高校写真部のOB展に行ってきました。

実は私も開成高校写真部OBなんですが、見に行くのは10年ぶりだったりします。

内容はというと…

モノクロがさすがに減りましたねぇ。
他の人もいっているんですけど、初っぱなからのマンハッタン911の写真にやられましたねぇ。
まさかここで見られるとは…
ちょっと衝撃でした。

会場にあった過去のOB展の記録写真を見ていて気づいたのですが、結構私の周りの人で開成高校や写真部のOBがいたってことです。5年前も見に行けば良かったとちょっと後悔しました。

意外にお互い同じ母校出身だってことに気づかないで過ごしてたんだなぁと。

で、そんな人たちのことを思いながら私も含め一言で言うと、開成OBは変人ばっかりです。

20050922

RICHLETとカメラバカ

結構前の話なんですが。

いつも行くvaasaでのこと。

よくお会いするcafe toのママの旦那さんで骨董が大好きな村上さんが持ってきた物です。
私なら知ってるかと思ってお持ちしたとのことでしたが、タイミング良く居合わせたのでその場で鑑定です。(笑

袋から出そうとしたそのものが見えかけたとき、思わず声を上げてしまいました。「リッチレットですね!」

村上さんも、ああ、やっぱり知ってた、みたいな反応だったんですが、この目で現物を見られるとは。
ちょっと感激です。

RICHLETは1953年に発売された、ベークライト製のボルタ判カメラです。
ボルタ判というのは、35mm幅で、裏紙がついたフィルムのことです。
ベークライト製のカメラとしては、スタートと並んで有名なカメラですが、コレクターズアイテムなため、滅多に見ることはできないと思っていました。

でも、その後よーく考えて笑ってしまったんですが、有名とはいえメジャーなカメラではありません。それを袋から出てくるなりカメラ名を叫んでしまうとは。

つくづく自分はカメラバカだなぁと思ってしまいました。

20050920

SX-70のミラーが…

初代の後期型Polaroid SX-70です。

これもenoからの頂き物です。

SX-70が何台かあり、すべてジャンクなので部品を合わせて一台作ろうと思ったのですが、一番手間のかからなさそうなこの機体をベースにすることにしました。

ベースとなる個体はフィルムを装填しても全く動作しませんでした。
フィルム室のスイッチがいじられており、ここの接触不良を疑ったんでしょうね。

SX-70にはもう一つ電源スイッチがあります。
蛇腹を開いたことを検知するスイッチです。
このスイッチが不良でも全く動作しません。

で、このスイッチに接点洗浄剤を吹きかけてみると…
あっさり動いてくれました。

前途洋々だと思ったんですが…

最初にファインダーを覗いておくべきでした。

まず、視度が合っていません。
まあ、これは調整するとして…

なんか変です。
画面の真ん中あたりが大きくかげっています。

もしや…

やはりミラーが割れていました。

ミラーの交換は大変やっかいですので、別の個体を修理するべきでした。
この個体、さらには上カバーのヒンジ部分も割れています。
フレンネルミラーも傷だらけです。
割れたミラーのせいか、蛇腹にピンホールもありそうです。
さすがeno、なかなかのジャンク具合です。

さて、せっかくですので、割れたミラーを取り除き、ミラーを移植する修理もしてみようかとも思います。
ちょうど、蛇腹が破けている物もあるので、それを使うことにしましょう。
この個体も蛇腹を交換するだけなのですが、なぜ使わないかというと、前期型なんで露出に不安があるんですよね。

相当大がかりになるとは思いますが…

バグ出ちゃったよ…

やっと完成させた自販機芸術のflash、最後の最後にバグ出ちゃいましたよ。
文字化け対策のために、テキストを分解したまでは良かったんですが…
テキストにリンクを貼っている部分がありまして、これを分解すると…

flash作ったことある方ならわかると思うんですが、リンクのフォーカスが文字の「色が付いてる部分」だけになっちゃうんですよね。

以前、この件を人のflashで指摘したことがあるのに恥ずかしい…

このflash、10分近くあるんで、パブリッシュの後のチェックを面倒なんでやってなかったんですよね。

大きな実害はないけど、かっこわるいし直さないとなー…

20050919

自販機芸術

約1年ほったらかしになっていた、自販機芸術のFlashをようやく完成させました。

テキストを入れるだけで完成だったんですが…
ついインターフェイス部分までちょこっと追加してしまい、思ったより時間がかかってしまいました。

で、文字入れてさくっと完成…といきたかったんですが、パブリッシュするとなぜか文字が化ける。
どうやらエンコードがうまくいかないようで、フォント指定がおかしくなっちゃうんですよね。
重くて編集は時間がかかるし、パブリッシュも時間がかかるし…で、解決するまでずいぶん時間がかかってしまいました。
どうもフォント指定に全角が入っているとおかしくなるようです。面倒なんで、文字は全部分解してしまいました。

浅野さん、西村さん、遅くなってしまって申し訳ありませんでした。

自販機芸術の自販機はギャラリーアートスペース201、ターミナルプラザことにパトスに設置してあります。
販売スケジュールは自販機芸術をご覧ください。

20050911

衝動買い

どうも、仕事も更新も固め打ちが好きなようです。

いっつもなにをやっても、そんなにいっぺんにやらないで毎日少しづつやればいいのに、って言われるんですが、どうもまとめてやる方が楽に感じるらしく、この性格は直りそうもありません。

そういえば小さい頃の日記(親につけろと言われた)や、夏休みの天気観察もこうでしたね。

この性格、ふつうの会社じゃ仕事に向いてないんでしょうね。
というのも、固め打っているときは人以上に仕事をしているように見えるのですが、そうじゃないときはさぼっているように見えるらしいです。

買い物も割とそうで、買い出すと止まらなかったり。

いつもお世話になってる中古カメラ屋(というか中古レコード屋)のジャンク棚でこんな物を見つけてしまいました。

一見カメラバッグなんですが(というかたぶん機器が入っていた物には違いないんでしょうが)、ずっと小さいです。

35mmのレンジファインダーカメラが1台入るっきりです。

革張りの重厚な感じで、素晴らしく気に入りました。


そして、衝動買いしちゃいました。
いつも買ってるカメラより高いんですけどね。

けれど、何入れましょうかね。カメラにはふつうストラップつけますしね。

一眼レフは、手元で一番小さいPENTAX MXでもレンズの厚みで無理でした。
パンケーキレンズ付きなら入るかもしれません。

で、おもむろにOLYMPUS PEN-FTを入れてみたら…

なんということでしょう。

さっくり入るではありませんか。

けどねぇ。
PEN-FTにはストラップも付けてあげたいじゃないですか。
カバンから出すのもいいんですけどねぇ。

まずはこのカバン、ハンドストラップはあるんですけど、ショルダーストラップがないんで何とか調達せねば。

Aires 35 IIIs

こんどは35mmです。
Airesは中級機メーカーとしてはずいぶんと重厚なカメラを作ります。
このAires35IIIsも結構大柄で固まり感がすごいあります。
1958年のモデルで、露出計はついていますが、連動はしません。

後の他のメーカーの露出計の連動するカメラや、自動露出のカメラにはもっと大きくて重いカメラもあるのですが、このカメラはそれらの物よりもしっかり感が強く、より重く感じます。
なんというか、カメラの中に隙間を感じさせないような感じです。

この機体は、レンズにカビが生えていました。シャッターの前後と、前群の中でした。

清掃するときれいになったのですが…すかしてみるとまだずいぶん残っているように見えます。しかも前玉表面に。
これは拭き傷でした。しかもちょっとひどいです。せっかくカビを取ったのに…
抜けは悪くないんですが、逆光ではちょっとつらいでしょうね。

minolta AUTOCORD RA

二眼レフがほんと続きますが、こんどはminoltaのAUTOCORDです。
モデルはRA。1957年のモデルです。
RA型は画面のマスクとフィルム巻き止めのパーツ(割板)を交換することで4×4cmでも撮影できました。

でも、手元の物は画面マスクも交換パーツもないので6×6cmのみです。これじゃただのAUTOCORDと同じですね。

彼は本体もケースもおっっっっっそろしくきれいなんですが、テイクレンズ中にカビらしき物があるのと、ヘリコイドのガタでした。

二眼レフなのにヘリコイド?と思う方ももしかしたらいるかもしれません。ふつうの二眼レフは以前紹介したNikkenFlexのように、勾玉状のカムでレンズを前後します。ですが、ミノルタとリコーの後期のモデルはヘリコイドだったんです。カムよりも平行を保ちやすく、かつスムーズな操作が可能とのことですが、確かになめらかな物が多いような気もします。

けど、ガタが出てちゃどうしようもありませんね。
このガタ、単なるネジのゆるみだとは思ったんですが、そのネジがえらく締めづらいところにあります。このネジを締めるだけのために前カバー、右サイドのカバーもはずしましたが、クランク機構がじゃましてうまく作業できません。何とか隙間を見つけて増し締めすることはできましたが。

本当はどうやって作業するんでしょうね。ボディピンに関わる作業なんで、レンズ、つまりは前板はおろせませんし。

きれいなAUTOCORDの風格というか、質感はすばらしいですね。独特の物があります。ゴテゴテせず、シンプルでなおかつ風格がある。国産でこれだけの物はYASHICAFLEXの後期の物くらいだと思います。
けど、使うにはちょっともったいないですね。私なんかは最初っからボロボロの方が気兼ねせず使えて安心できます。貧乏性ですかね。

20050910

幸せ来る?

半月くらい前、会社の隣のアパートの壁に鳩が巣を作っていました。
巣の中(だろう)あたりから「ぴーぴー」と雛の声が聞こえてたいそうほほえましい光景でした。

最初はえさやりの様子も見れたのですが、警戒してか写真の様子しか見れなくなりました。なんか、「家族を守ってる」っていう感じなんで、きっとお父さんなんでしょう。あ、でもお母さんが巣を守ってて、お父さんがえさをとってくるっていう場合もあるなぁ…

一週間ぐらいで雛の声は聞こえなくなり、札幌はすっかり涼しくなりました。ある時見上げてみるともう誰もいません。きっと無事巣立ちしたんでしょうね。

この話を人にしたら、「鳩は幸運の象徴だから、きっといいことあるよ」って言われたんですけど、この場合誰に幸運が来るんでしょうね。会社の人みんなで見たしなー。アパートの人?でもどの部屋?

なんて話をして後でよく考えたんですけど、鳩って  平和の象徴  ですよね??
幸せの鳥は  青い鳥  ですね。

あぁ、こんなこと考えてたら来るはずの幸運もどっかいっちゃうじゃないか…

RICOH S-2

すっごいぴっかぴかのカメラです。
メッキがすばらしくきれいでおまけにどこもかしこも銀色です。

ずいぶんと古くさいデザインですが1958年製です。
兄弟の多いカメラで、1953年のRICOLETに始まり、本流だけでRICOH35>519>500と同じボディを使ってきました。
1953年のデザインだと思えば古くさくて当然ですね。

で、彼はシャッター不動でした。
シャッター羽根を洗浄すると元気に動くようになってくれました。ガバナーも快調です。シンクロ切り替えがXになってくれないのですが、フラッシュは使わないのでよしとしましょう。
と、思ったのですが、セルフタイマーはM接点用のタイミングガバナーも兼ねているので、Xに設定できないとまともに動作してくれません。でも、このカメラでセルフタイマーも使うことはないだろうということで今回はパス。

シャッターはCITIZEN MXVです。純粋なプロンタータイプに近いので、シチズン独特のキュンッという音はしませんが、やっぱシチズンの音はいいです。

20050908

PEN-FTその後

PEN-FTですが、直してしまいました。
といってもシャッター切れるようにしただけですが。

写真の中央あたりの電話のダイヤルみたいな形をしたパーツがはずれていたのですが、これを取り付ければミラーが動くようになるはず=シャッターが切れるようになるはず、というわけでとにもかくにも取り付けてみました。

取り付けるといっても結構大変でした。ミラーを駆動するために、この小さな部品にバネのテンションをかけ、その上ネジ止めですから。しかもこの部品を止めていたネジはどうやら逆ネジのようです。そんなネジは手持ちの部品にはありません。ので、正ネジのタッピングビスをねじ込んでしまいました。
いつかまたとれるかもしれませんが、動くだけで満足です。なんせPEN-FTですから。

無事シャッターが切れるようになった喜びで、はずされてたシンクロ関係はほっといてさっさと組み立ててばしばし空シャッター切ってました。

後で気づいたのですが、露出計も動きませんでした。いいんですPEN-FTですから。

Ikoflex何型?

二眼レフばっかり続いてしまいます…。

今回はZEISS IKONのIkoflexです。

このモデルがなんなのか調べるのにえらい苦労してしまいました。
有名なのは泣く子も黙る最初の型(850/16)とか、露出計内蔵のIcとかはよく見るようなんですが…II型と似てるけどIII型の特徴もあるし…
と思いながら探していると、II/III型(852/16)っていうのがあるんですね。1938年から1940年くらいの物だそうです。えらい古い物だったんですね。

外観の程度はまあまあといったところ。Zeissは本革貼りなのが気持ちいいです。裏蓋のサイドまで貼ってあるあたり、芸が細かいです。そういえば戦前のIkontaもこんな感じでした。

彼の症状はというと…

・絞りとシャッタースピードの設定値がわからない
・絞り不動
・巻き上げ軸とスプールがかみ合わない

預かるときにある物を一緒にもらいました。それは幅4mmくらいのプラスチック板が2本で、表面にシャッタースピードと絞り値が書いてあります。どうやらこのプラスチック板が劣化して折れてしまい、はずれてしまったようです。
絞りはおそらくレバーと連動がはずれているだけでしょう。
どのみち前カバーははずさなきゃいけないようです。

早速分解したところ…絞りは単に連動がはずれていただけでした。
けど、例の絞りとシャッタースピードの表示は…思いっきりひもで連動でした。ひもにプラスチック板が縛り付けられているという形です。まあ、予想の範囲でしたが。
それにしてもこれをわざわざはずしてとっておいた前のユーザーさんはえらいです。僕ははずしたらすぐなくしちゃうんで、つけたままにしておくのですが…。

巻き上げできない件は、巻き上げ軸の120フィルムのスプールにかみ合う爪がなぜかとれているので、似たものを作って接着です。
何でとっちゃったんでしょうね。620フィルムでも入れようとしたんでしょうか。