20061004

Konica C35 MFD

今回は写真部の学生さんからの依頼で、コニカのC35MFDの修理です。
1980年代のフルオートカメラで、プラスチックボディ、というと普通は古いカメラという扱いではなく、実用品としても、コレクションとしても正直人気はないですね。

でも、私は結構この時代のカメラが好きだったりします。
無理した小型化を目指していないため、各部の精度やレンズ性能に妥協が少なく、押し出しのあるデザインは安っぽさを感じさせません。
ただ、あまりにもありふれているのと、ちょっと重いボディ、各社そろって38mmF2.8という工夫のないスペックのレンズばかり、というのがちょっと残念な時代でもあります。

さて、このC35MFDというのはコニカのC35シリーズとしては最後となる機種で、オートフォーカスに、モーター巻き上げ、日付写し込みと、この時代の全部入りになります。
そのせいでC35というにはちょっと大きすぎるボディになってしまいました。

この個体は、自動巻上げが止まらない、というものでした。
巻き止めにかかわるカムやスイッチの破損があると厄介だな、と思いながら分解していくと…カウンターと連動して、1駒目まで連続して巻き上げる機能があるのですが、その部分の連動棹が折れていました。

さて、このプラスチックの部品をどうしましょう。
そのまま接着してもすぐ折れてしまうのは目に見えています。
かといって部品を作るほどの技量はありませんので…

瞬間接着剤で接着したあと、アルミテープを巻きつけ、隙間にさらに瞬間接着剤を流し込んでみました。
結構丈夫に接着できたようです。

20060923

MAMIYA35 Ruby Standard

マミヤのMamiya35 Ruby Standardの修理です。
マミヤというと中判というイメージですが、実は1980年代まで一眼レフも含めて35mmカメラも作っていました。

特に、レンズシャッター式の一眼レフカメラでは結構がんばっていたようです。
今では中盤の一眼レフはほとんどがレンズシャッター式なので、このころのノウハウがものを言っているのかもしれません。

さて、このカメラはレンズシャッター式のレンジファインダーカメラとしては、特に特徴のあるカメラではないのですが…しゅっとしたデザインはまぁまぁ悪くはないのですが、どこか垢抜けない感じもします。
全体としてはスマートな感じが好ましいのですが、細かいところがあとちょっと何とかすれば、と思ってしまいます。

この固体は、お約束とも言える、シャッターの羽油でした。
分解して清掃し、外観もきれいにして完了です。

どういうわけか、マミヤのカメラの露出計は壊れているものが少ないです。
おそらくはセコニック製だと思うのですが、同時期のヤシカのカメラと比べると、壊れている確率が少ないような気がしますね。

Fujica 35-SE

富士の初期の35mmカメラです。

非常に端整なデザインだと思います。
巻き上げレバーを底面に、巻き戻しクランクを側面に配置し、上面にはシャッターボタンしかありません。

その割には殺風景ではなく、四角いボディが際立ち、いいプロポーションだなぁ、と思います。

さて、この個体は、底部の巻き戻しボタンが外れていました。

まぁ、これくらいなら、ちょっとボタンをはめ直すくらいでいけるだろう、と思っていたのですが…

ボタンの根元のネジ部分が折れていました…
しかもそれを受け止めているのはボディを貫通する長ーいシャフト。
上から下から分解する羽目になってしまいました。

巻き上げ機構が底面にあるため、ファインダー周りは大変余裕のある作りになっています。
おかげで時代の割には、大変見やすい、合わせやすいファインダーです。

このカメラのシャッター、というかFujica35シリーズの(すべてではないですが)特徴として、1/1000まである、CITIZEN MLTというシャッターの搭載があります。
Fujica以外ではあまり見かけないシャッターです。
シチズン独特の「キュンッ」というシャッター音が、その大柄なボディとあまりにも似合わず、おもわず笑ってしまいます。

20060801

東川フォトフェスタに出展

去る7月末に東川町で行われた、東川フォトフェスタにピンホール写真を2点出展しました。

20060428

世界ピンホールデー撮影会開催

先日ちょこっと紹介した撮影会のご案内です。

題して「世界ピンホールデーin北海道(WPPD in HOKKAIDO)」撮影会。
安直です。

先に「世界ピンホールデー」(以下WPPD)の説明をしますと、
趣旨としては「年に一回WPPDを制定し、その日に一斉に針穴写真を撮影しましょう」というものです。
さらにWPPDのおもしろいところはただみんなで撮影するだけでなく、その写真を投稿、公開するところまで一貫したシステムが存在することです。
WPPDは2001年にアメリカで提唱され、WPPDを制定し、webページに投稿、公開、といった流れがボランティアスタッフにより運営されています。
ボランティア運営なんで投稿方法が限られています。webページへのアップロードのみです。
こちらが本家になります。
世界ピンホール写真デー
ちゃんと日本語ページもあります。

まあそういったわけで、せっかくだから撮影会をしようじゃないか、ということで開催です。

今年のWPPDは4月30日。
毎年日曜日です。

今年は日本はGW中になり、ラッキーですね。

以下開催概要です。

***WPPD in 北海道 撮影会***

開催日時;2006年4月30日13:00集合
集合場所;札幌ファクトリーレンガ館3F札幌市写真ライブラリーエントランスロビー
~札幌市中央区北二条東4丁目/011-207-4444
撮影場所;札幌ファクトリー内、周辺
終了予定;15:00

参加者にはフジフィルムイメージング(株)よりフィルムが1本進呈されます

***WPPD in 北海道 展示会***

展示期間;2006年6月11日~25日
展示場所;札幌市写真ライブラリーエントランスロビー

展示写真は同時にWPPD webページにも投稿致します。

***参加募集***

参加費用;1000円(展示費用を含みます)
申し込み;私(高橋吉之)まで
090-3393-7887
http://www.11105.net/yotchi/
e-mail:yotchiアットマーク11105.net
※集計の都合上、なるべくメールでお申し込みください
持参頂くもの;ピンホールカメラ、三脚、参加費

***ピンホールカメラをお持ちでない方へ***

一眼レフカメラをお持ちの方であれば、ピンホールカメラとしてお使い頂くことが可能です。
フィルム、デジタルは問いません。
ご希望の方にはレンズの代わりに使用するピンホールキャップを実費にてお譲りしております。
お申し込みの際に機種名を添えてお問い合わせください。
費用はニコン、キャノン用で2500円からとなります。

日にちは押し迫ってきましたが、まだまだ募集継続中です。
ふるってご参加ください。

先日の投稿でもお知らせしましたが、先月携帯電話が壊れてしまい、連絡先がわからなくなった方がおります。
自分のところに案内がきてもおかしくないのに…と思われる方はお手数ですがご連絡頂けると幸いです。

皆様の参加をお待ちしています。

20060425

引っ越しました+更新再開!!

皆様お久しぶりです。

このところすっかり更新が滞っておりました。

と、いうのも…
実は、急に引っ越しが決まってしまい(といっても同じ市内ですが)貧乏人の私は業者を使わず、自家用車+レンタカーで済ましたのでした。
それはなかなかの壮絶を極め、結局着手から終了まで一ヶ月以上もかかってしまったのでした。

その間ネットは使えず、また引っ越しの最中に限ってというか、よくもまあこのタイミングでというかで携帯が壊れてしまい、すっかり音信不通の生活を送っていたわけです。

昔ならこの状況を何とも思わなかった、というかネットも携帯もありませんでしたからこれがふつうなんでしょうけど…いざ無くなるとずいぶん不安になるものです。

というわけで、私の携帯連絡先をご存じの方は、私の携帯までご一報いただけると助かります。

つい昨日、ようやっとネットが開通し、まっさらな携帯とともに何とか従前の活動が再開できそうです。

さて、一ヶ月の間にすっかり春になる…と思いきやなんだかさっぱり暖かくなりません。

写真業界も寒い限りで、とうとうコニカミノルタのカメラ、写真事業はその歴史に幕を下ろし、マミヤが光学機器から撤退(というか、(株)マミヤは倒産?)したり、カメラのきむらがカメラのキタムラに買収されたりとかしています。

さて、そんな寒い状況を少しでも暖めることができたら…と、言うほどのものでもありませんが、2つほどお知らせがあります。

まず、4月15日付で、「日本針穴写真協会 北海道支部(JPPS北海道)」が設立されました。

昨年の協会発足時に入会された方も多いかと思います。
北海道内の会員の方は、自動的に北海道支部にも所属することになります。
ちょうど更新の時期に当たるのですが、まだ継続の申し込みをされていない方が大勢いるようです。
北海道の針穴写真を盛り上げていきたい、と考えておりますので、是非皆さんの加入、継続申し込みをお願いいたします。

まだ北海道支部のwebページはできておりません。ので、本部http://jpps.jp/まで。

つぎに、JPPS北海道の初の活動でもあります。
世界ピンホールデー撮影会を4月30日に札幌ファクトリーで行います。
もう少しで開催ですが、まだまだ参加者募集中です。
後日詳細案内投稿します。
参加希望者は私まで。

駆け足でしたが、近況報告でした。

20060302

Canon7sとCanon35mm/1:2.8

キャノン7sと35mmの修理を依頼されました。
とてもきれいな状態なので、ちょっと緊張します。
とてもきれいなのですが、、、距離計の調整と、レンズのコバ塗の剥がれの補修が必要でした。

コバ塗の剥がれは中古店ではよくバルサム切れと混同されています。
本当にバルサム切れなら光路内の不具合なので写りにちょっと問題が出る可能性がありますが、コバの剥がれは難しい光源状態でなければあまり影響ありません。
しかし、レンズを前から覗き込んだときは、バルサム切れより、コバの剥がれのほうが良くわかります。
そのため、評価の対象となってしまうようです。

ということで、コバの再塗装を行ってみました。

たいていの場合、エナメル系の塗料が使われているようです。
剥がれが発生するような状態の場合は爪などで簡単にはがせます。
再塗装の前に古い塗料をはがしますが、溶剤などではがすより、爪などではがしたほうが手間もかからず、きれいにはがせます。

再塗装にはウレタン系の塗料を使用しました。
これは単に手持ちの都合です。

はみ出したところをふき取り、乾燥して完成です。







20060120

αショッッッッッッック!!!!!!

ほんとにショックです、、、;;

http://konicaminolta.jp/about/release/kmhd/2006/0119_04_01.html
http://bcnranking.jp/flash/09-00005995.html
http://it.nikkei.co.jp/pc/news/index.aspx?i=20060119da001da

コニカミノルタが3月末を持ってカメラ事業、フォト事業より撤退するとのこと。
要は写真とは関係ない会社になるって言うことみたいです。

前々から規模縮小という話もありましたし、そろそろ撤退もやむなしかというような噂はありましたが…
こんなに早く、そして完全な形での発表になってしまうとは…

私はミノルタには特別な思いがあって、このニュースには筆舌に尽くしがたい思いがあります。


私の父親も写真を撮るのが好きなのですが、その父親が使っていたカメラがminolta SR-T101でした。
しかもブラックのかっこいいやつ。

私の成長はそのSR-T101によって記録されました。
私にとってのカメラの音と言えば、SR-T101のシャッター音です。

そしてそのSR-T101が私の初めて使う一眼レフになりました。
このカメラには露出の基本をたたき込まれました。

初めて自分の一眼レフとして手に入れたのは父親に買ってもらったMINOLTA X-700です。
とても気持ちのいいカメラで、未だに私のフェイバリットランキング一位です。
このカメラにはシャッターを切る快感を教わりました。

仕事にも活躍してくれましたが、快感じゃ仕事はできず、泣く泣くEOSやNikonに浮気しました。

初めて自分で買った一眼レフは中古のα-9000でした。
あまり使い勝手は良くないカメラでしたが、それがまたかわいくもあり、そしてとてもかっこいいカメラでした。
このカメラではカメラの性能の進化を体験しました。

EOSやNikonに浮気していた自分をミノルタに引き戻してくれたのはα-807siでした。
正直ミノルタじゃ仕事はできないかなぁ、、、なんて思っていたんですが、目から鱗でした。

見やすいファインダー。
切れのあるシャッター。
カメラのあるべき形が高次元で実現されているなぁ、と。
これに比べたらEOSなんてカメラの形をした家電だ、位に思います。

やるじゃんミノルタ。


コニカにも。

初めての自分のカメラはさすがに一眼レフじゃなく、ジャスピンコニカKONICA C-35AFでした。
なーんにも機能はありませんが、いつも出かけるときはお供で、修学旅行に二度持って行きました。

でも、一眼レフがほしくなってしまったのもこいつのおかげです。

初めて分解したのもこのC-35AF。

クラシックカメラでもちゃんと写り、しかもとってもよく写ることを知ったのはKonica S2でした。
このS2のHEXANONからクラシックカメラの泥沼にはまっていくのでした。


世間的に見ても、日本最古の写真総合商社(六櫻社→小西六→コニカ)であり、日本で初めて印画紙やカラーフィルムを商品化したり、世界初のオートフォーカスカメラ(C-35AF)を作ったり。
世界初の分割測光(SR-T101)、世界初のシステムAF一眼レフ(α-7000)を実現し、最高の測光技術を持ち世界唯一(たぶん)のカラーフラッシュメーターを生産するという、これらの会社が写真業界から撤退するというのはとても惜しいことです。

どれもデジタルにはついて行けない、生かせないと言うことなんでしょうかねぇ。


ちょうど先頃ニコンが銀塩写真事業を大幅縮小
http://www.nikon-image.com/jpn/news/info/info060111.htm
というニュースもあり、寂しい限りです。

カメラも家電なんですねぇ…
銀塩写真はこれから嗜好品、という方向になっていくんでしょうかねぇ…


仕事で使用しているILFORDの印画紙もラインナップ縮小が続き、先行きが怪しくなってきたため乗り換え先を探さざるを得なくなってきています。
店頭ではもう販売していないとも聞きますし。


そんな中、心強いニュースが。

http://fujifilm.jp/information/20060119/index.html
フジフィルムが
銀塩写真を中心とした感材写真事業を継続し、更なる写真文化の発展を目指す
と発表しました。

人間の喜びも悲しみも愛も感動も全てを表現する写真は、人間にとって無くてはならないもの
銀塩写真は、その優れた表現力・長期保存性・低廉な価格・取扱いの手軽さと現像プリントインフラが整備されている点等でデジタルに勝る優位さもあり、写真の原点とも言えるもの

感動です。
泣けてきます。


趣味で続けている人にとっては、今後この趣味が楽しめなくなる、っていうのはとても悲しいことです。
仕事じゃないからコストや効率なんて関係ありません。
たとえものすごくお金のかかる趣味になってしまうとしても、絶対になくなってほしくありません。


そういえばこのblogのタイトル、SILVER CHLORIDEは直訳すると塩化銀、つまり感光素材としては銀塩のことなんです。
もちろん本家のSilver Chlorideもです。
本家はデジタルネタばっかりですが…

がんばれ銀塩!

20060112

レンズの割れたキャノンdemi

実はこのCanon demi、レンズが割れています。
カメラ本体にほとんどダメージがないのに、なぜか前玉がきれいに真っ二つです。

あまりにもきれいに割れているので、このまま写したらどうなるのだろう?
結構面白い写真が撮れるんじゃないか?
と思ったのですが、、、

モエレ沼公園、ガラスのピラミッドで夜撮影してみました。

う~ん、、、
割れた方向には光条が伸びてはいますが、、、
思ったよりまともに写っちゃっています。

いや、きちんと写ることはいいことなんですが、、、
期待していたような変わったことは起こりませんでしたねぇ。




20060111

コンベンション出品作オリンパスAceをピンホールカメラに

オリンパスAceというちょっと変わったカメラがあります。

このカメラは、レンズシャッターカメラなのに、なんとレンズが交換できてしまうんです。
そのためにシャッターと絞りがボディ側に残る構造になっています。
この構造を見て、ちょっといいことを思いつきました。

手持ちのピンホール板の大きさが、シャッターの直径と似ているのです。
絞りちょっと絞ってその上にピンホール板を乗せてみました。

思ったとおりぴったりです。

一眼レフを使うより、ずっとスマートなピンホールカメラとなりました。

実はフォトコンベンションの際、貸し出せるカメラが足りなくなるのではないか、という危惧がありました。
その場合は私の手持ちのカメラを貸し出そう、そう思っていました。
また、販売用マウントキャップが足りなくなる可能性もありました。
そこで、当日私自身が使う分にはこれでいいだろうと思い、現地で工作を行いました。

結果的にはそれでもカメラが足らず、お客さんに使っていただくカメラとなってしまいました。

20060110

Icarex35 CS

えらくごっついカメラです。
ケースもすごくごっついです。

Icarex35はツァイスとフォクトレンダーが合併し、ダブルブランドで発売された一眼レフです。
すっかり評価の高くなっていた日本製一眼レフに対抗していこうという意気込みが見てとれるカメラで、特にNikonFなどの高級機に対抗していこうとしていたのではないかと思わせる機能、構造です。

スローシャッターの不調と、レンズの自動絞りの不調のメンテナンスです。
どちらも洗浄を行い、スムーズに動くようになると、快調にシャッターが切れるようになりました。
それにしてもすごいシャッター音です。
シャッター音というより、実際はミラーの駆動音なのでしょうけど、まるで中判一眼レフです。

ドイツ製らしく、造りはすごく良いのですが、、、メカの洗練具合はこの時点ではすでに日本製が進んでるようですね。

Ricoh35

理研工学(後のリコー)のRicoh35です。
シャッターが不調とのことでメンテナンスです。

Ricoh35はリコーがはじめて手がけた35mmフィルムカメラ、RICOLETの後継RIKEN35のマイナーチェンジモデルとなります。
レンズ鏡筒回りの不思議な形をしたカバーと、底部の巻き上げレバー(ピストル式速写レバーというそうです)、富岡工学のレンズが特徴のカメラです。

シャッターはメーカー自社製のRIKENシャッター。
リコーフレックスシリーズのRIKENシャッターとほぼ同じ構造のものです。
このシャッターは最高速が速くないせいもあり、バネが弱く、ちょっとした汚れで動きが悪くなってしまいます。

この機体の場合もシャッター羽根、駆動カム類が汚れていましたので洗浄しました。
ばねが弱いシャッター独特の、非常に頼りない動作音ですが、順調に動くようになりました。

20060109

あけましておめでとうございます

すっかりご無沙汰になってしまいましたが、今年もよろしくお願いします。

ネタはあったのですが…なんだか妙に忙しい年末年始で、すっかりたまってしまいました。

たまったネタは前になるように投稿しているんで、トップページからご覧くださいね。

コンベンション出品作インスタント編

もう一つ、コンベンションのために製作しました。

左の箱です。

なんだかボロくさい箱ですが、、、
後ろを見ると、

なんとインスタントバックがついています。
これはフジのフォトラマFI-800インスタントバックです。


フォトラマというと、電動でジーっと出てくる自動現像のやつですが、これを選んだのには訳があります。

インスタント写真を使ったピンホールというと、ポラバックを使用したものが有名ですが、これはピールアパートです。 要は手動なんで、ある意味できて当たり前と言えば当たり前ですよね。
売っているものをまねしてもおもしろくありませんし。

そこで、自動現像方式のインスタント写真でやったらおもしろいのではないか、と思ったのですが、これには2種類あります。 ポラロイドの方式と、フジの方式です。

ポラロイドの方式はSX-70や600シリーズで使われているものですが、これはできあがった写真が裏像になります。 そこで、ミラーで反転させて露光しているわけですが、これをピンホールに改造しようとすると、ミラーをどうするか、という問題があり、簡単にはいきません。
そのままミラーを使って製作してもいいのですが、焦点距離が長くなってしまっておもしろくありません。

フジのインスタントは像がフィルムの裏側に出てくるため、正像となります。
今回はバックが手に入ったので簡単に製作できるというのもあり、フォトラマを使用しました。

電動でジーッと出てくるとピンホール写真、っていうのはなんだかおもしろいです。

これがその写真です。

すごくシャープに写ってます。

例のレーザーピンホールを使用したのですが、穴径は0.2mmですので、像面の解像度は5本/mmになる計算です。
自動現像のインスタント写真はたいがい、10~15本/mm位しか解像度がありません。
ということは、レンズでちゃんと写したものでも解像度はそんなに変わらないと言うことになります。

なんだかピンホールの意味もあんまり無いような気もするのですが、逆に言えばピンホールでこれだけ写ると言うことですね。

コンベンション出品作デジカメ編

フォトコンベンションに出品するため、十八番のピンホールデジカメを2台製作しました。

今回選んだのはOLYMPUSのCAMEDIA C-100とFUJIのFinePix1200です。

あまり製作期間がなかったので、単焦点、パンフォーカスという基準で選びました。
どちらも今までのデジカメに比べると、割と簡単な改造で実現していますが、なかなかの写りです。

C-100は1/3.2インチ131万画素。
この、1/3.2インチという小さなCCDで果たしてちゃんと写るだろうか?
という不安はありました。

が、結果は左の通り。
さすがにこの小ささではちょっと解像度的には厳しいようですが、とても味のある描写をしてくれます。
35mm一眼レフに0.5mm位のピンホール板をつけた描写に近いでしょうか。
なんと、ムービーもちゃんと撮れました。

FinePix1200の方は1/2.7インチ131万画素です。
こちらもCCDが小さいです。

C-100よりCCDが大きいせいかよりクリアな描写になっています。
こちらの方が画角は狭いようですね。

残念ながら、動画撮影機能はないのですが、感度が割と高く、結構暗いところでも写ってくれます。

どっちも簡単なカメラなので、そんなに機能はないのですが、それでもカメラ任せで結構撮れるものですね。

ただ、どちらもCCDサイズの小ささから、画角が狭くなってしまっているので、何とかしてもっと広角のカメラにしたかったところではありますね。

このカメラたちもご希望の方がいましたらお譲りいたしますよ。
1万2千円くらいでいかがですか?

OLYMPUS CAMEDIA C-100, FUJIFILM FinePix1200

フォトコンベンション無事終了!

12月18日からの北海道フォトコンベンション、盛況のうちに終わることができました。
ご来場いただいた皆様、大変ありがとうございました。

さて、メインイベントとなった、日曜日の針穴写真講習会ですが、道新読売への掲載もあり、大変多くの人に参加いただきました。

これで、北海道の針穴写真の普及に一助となったのではないかな、と思います。

当日は、3日間とも会場にいたんですが、意外にピンホール写真に興味がある人が多いのが驚きでした。
きいてみると、興味はあるんだけど、どうすればいいかわからなかった、という人が多いようです。

そうなんですよねぇ、、、
機材から準備して始めなきゃいけないんで、情報が少ないとどうにもならないんですよねぇ。

今回は、貸し出しのカメラのほかに、手持ちの一眼レフで使えるピンホールボディキャップというものを用意しました。
似たようなものはケンコーやアベノンからもでているのですが、ずっとローコストなもので、一眼レフ用のボディキャップに穴をあけて、ピンホール板を貼り付けるというものです。
見た目はただ穴のあいたボディキャップという、素っ気ないものですが、手は抜きませんよ。
私のホームページでもちょっと紹介している、レーザー加工されたピンホール板です。
従って写りはメーカー製に引けをとりません。
おまけにいつもの一眼レフが使えるので、操作は慣れたものになりますしね。

このピンホールキャップですが、まだ若干数あります。
ご希望の方はカメラのメーカー名、機種名を添えてご連絡くださいね。
代金は3000円です。